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>  「調査研究」要約

本調査研究においては、欧州・米国・韓国・台湾などにおけるLEDと有機EL技術に基づいた新照明技術の政府主導の開発プロジェクトや産業振興策、工業規格や製品の普及に関わる環境・有害物質規制などの現状と将来動向について調査を行った。

 照明用途の電力は、全世界の電力需要の約20%と大きな割合を占めている。温室効果ガスを削減する有力な方策として、発光効率の悪い電球を廃止する動きが全世界で急速に広まっている。これに代わる小型の電球型蛍光灯やLED照明の導入が急務であるので、各国では新しい照明製品の開発を後押し、地球温暖化対策とエネルギーコスト削減による産業競争力の強化、雇用の拡大を狙っている。

 一方、世界的に水銀の大気や水系への排出量が年々増えており、魚類を食用にする健康リスクは増大しつつある。疫学的な見地からの水銀の危険性は明確になってきており、欧州や米国の政府レベル、自治体レベル、市民団体や環境団体の一般市民へ危険性を啓蒙する活動は徐々に増えている。水銀汚染源の大半は、中国などでの発電のための石炭燃焼であり、その他にも発展途上国での金の採掘に使われる水銀など、欧州のRoHS 指令での水銀使用の制限できる範囲を超えた発生源からの地球規模の汚染が深刻である。このため、石炭発電量の削減、発電所の排気ガスからの水銀除去、水銀輸出規制などの対策が全世界で必要な状況である。蛍光灯に使われる水銀からの汚染は地球全体の汚染の1%前後かそれ以下と考えられるので、RoHS 指令による蛍光灯の使用禁止はそれほど有効な手段では無い。電球を蛍光灯に置き換えて石炭発電量を減らすことが水銀汚染の低減のために急務であるとの考えが、国連や各国政府、環境団体などに共通する考え方である。しかし、長期的には水銀を含む製品は無くしたいという観点から、LED照明のエネルギー効率や信頼性などが向上し、製品コストも低減できた時期に、次の段階として、海外での蛍光灯の使用制限が行われる可能性があると予想する。その時期は、2012年かそれ以降であると考えられる。欧州がLED照明の普及が世界でも進んでいる地域であるので、わが国も欧州での動向を注視してゆく必要がある。

 LED照明が普及してゆくためには、消費者がエネルギー効率の高い照明器具を選べるためのしくみが必要である。このために、欧州と米国では照明器具の工業規格作りを行っている。米国のエネルギー省では、市販の製品の性能や信頼性の評価を行い、LED照明器具の普及促進を図っている。韓国・台湾・中国もこのような工業規格への対応を意識した照明産業政策を採っているようである。LED照明の基礎開発への助成金は米国エネルギー省が年間1000万ドル以上を支出し、LED照明の市場化のためにもさらに年間1000万ドル以上を支出している模様である。中国と中国の地方政府も合わせて年間35億円程度の助成を行っている。同様に、台湾政府は年間15億円程度、韓国政府は年間60億円程度を支出する。

 さらに、次世代の照明として有機EL照明の開発プロジェクトが欧州や米国政府の助成金を得て進行している。EUからは年間に930万ユーロ、ドイツ連邦教育研究省からは年間に2000万ユーロ、オランダ政府やベルギー政府からも助成金が出ている。米国でも、エネルギー省が年間1000万ドル以上を支出し、米商務省の米国標準技術研究所からも年間200万ドル以上が支出されている。有機EL照明はその材料コストが高いという課題はあるが、性能面では実用レベルに達しつつあり、数年後には市場が大きく成長するという予測もある。

 温暖化防止・石炭発電からの水銀汚染防止という環境面からの電球規制と、固体素子照明の技術開発・標準化の進行状況から、2012年の世界のFPD・TV向けバックライトや自動車向け照明を除いた一般照明機器市場の約10兆円の中で、LED照明機器が3100億円、有機EL照明機器も3400億円程度と予想される(換算レートを1ドル=100円として)。数年以降先には水銀汚染の低減のための蛍光灯の使用の制限が行われる可能性もあって、LED照明機器と有機EL照明機器の普及はさらに加速するであろう。

 最後に、日本政府や自治体が環境問題に配慮しながら照明関連産業の発展を促進させるための提言として、以下のような制度、政策や支援の検討についてまとめた。

・米国とEUで実施される予定の水銀の輸出禁止と安全な保管に関する政策と、日本での検討。
・温室効果ガスと水銀汚染を減らす目的のために、電球を廃止しながらLED照明と有機EL照明も導入してゆく政策の検討。
・中国や発展途上国での水銀汚染の拡大を防止してゆく協力。具体的には、石炭発電からの排煙ガスからの水銀除去技術での協力、石炭発電を減少できる太陽光発電や風力発電技術に関する技術協力など。
・日本国民への、水銀含有魚類の多量の摂取を控えるように注意を喚起する啓蒙活動。
・ 消費者にとって照明機器の省エネ効果、品質、安全性に関して判断しやすい基準を作り、製品に表示する制度の促進。
・LED照明機器の、公共性の強い屋外照明(道路・街灯・トンネル・橋梁・駐車場・地下鉄、広告)分野での普及の促進。
・照明器具のコンテストなどの実施による、固体照明製品の普及促進。
・国公立大学の優秀な研究者が、欧米のように事業を起こし易くするなどの環境整備に関しての制度上での工夫。
・照明に関連した新分野での技術調査や民間からの研究テーマの公募によってチャレンジングな開発テーマも含めて選択し、それらの基礎研究を積極的に援助する。
・産学官の緊密な協力を行う上で複数の工業団体などにまたがる関係者の交流促進。


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